生物学好きのまいんが、シンガポールで生活する中で出会ったものをひたすら記録します。

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私は何を食べているんだ?

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STUFF'Dという野菜がおいしいお店があります。

stuffed.com.sg

私はよくここのサラダを食べているのですが、先日「ケバブも美味しいよ」と勧められたのでケバブに挑戦しました。

注文しようとしたら、たまたまImpossible Kebabというのが安くなっていたので、じゃあそれを頼んでみよう、ということで頼んでみたんですね。

結果はめちゃくちゃ美味しくて最高、大当たりの選択でした。

まず何より野菜がいい。野菜の美味しさがしっかり伝わってくるんです。

加えて皮の感じ。分厚さが最適解でした。

そして何より肉です。肉が「肉!」という感じで、かなりしっかり感じられて、食べごたえも抜群でした。野菜と肉のハーモニーを感じつつ、でもぎっしり入ったお肉に肉肉しさを感じながら、うまいうまいといってぺろりと平らげてしまいました。

 

 

 

ここまではよかったんです。

 

 

 

美味しかったな~また頼みたいな~と思いながらメニュー一覧を眺めていて、

ふと、こんな疑問が湧いたのです。

 

「Impossible Kebab」のImpossibleってなんだ???

というのも、メニューには

  • Chicken Kebab
  • Beef Kebab
  • Impossible Kebab

という風に、あたかもKebabの前の言葉は肉の種類だというような並びが書かれていたんです。

私は最初、Impossible KebabというのはImpossibleなくらい美味しいKebab、なにかしら特別なKebabであろうと思っていました。

実際食べたときも美味しいと感じただけで、特に違和感もなかったのです。

 

でも、もし肉だとしたら、Impossibleってなんの肉……?

自分が食べたものを思い返しても、チキンとしか思えなかったので、チキンを何かしら加工したものがImpossibleなのだろうか。

そう思って調べてみました。

するとこんな記事が!

sethlui.com

 

Impossible Meat!?

こちら、なんと、人工肉だったのです!!!!!!!!!!

impossiblefoods.com

 

とはいっても、ダイズなどの植物から作られた肉なので、培養肉とかとは違うのですが……。

Researchat.fmでも以前話されていた気がしますが、Impossible Meatの場合は肉の感じを出すためにヘム*1を取り入れているらしいです。

最初の頃はダイズの根粒にてダイズが作るレグヘモグロビン*2を抽出しようとしたっぽいですが、現在はダイズのレグヘモグロビンのDNAを酵母に持たせてヘムを作らせているんだそうな*3

そこに植物由来のタンパク質などをあれこれ組み合わせてできてるのがImpossible Meatらしい。ふーん。

 

 

そうかぁ、Impossible Kebabというのは、すんごいケバブ……ではなくて、ある意味すんごい人工肉のKebabだったのね。と思った。

 

 

思ったけど。

 

 

私、食べた時チキンだ!と思ったはずなのに、サイトを見る限りImpossible MeatはBeefに擬態してるっぽいんだよな。

なんでだろう。

この本当の答えの可能性は3つ。

  1. 店員さんが間違えてChicken Kebabを作った。
  2. Impossible MeatはKebabの場合チキンに擬態している。
  3. 私の舌がポンコツなのでチキンだと思い込んだ。

さて、どれでしょうね。

真相は藪の中(いや、もう一回頼めばいいだけなんだけど……)。

 

 

てことで、何を食べてるのかわからないまま適当食べてる私でした。

 

 

 

後日談:

Impossible Kebabを後日改めて注文してみました。

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これ牛に擬態した肉じゃない???

私が最初に食べた時のチキン感は全く存在していなくて、ずっとミートソースみたいな味でした。ミートソースっぽいせいでちょっと塩辛い。

これをチキンだと間違えることは絶対ないと思うので、仮説2と3は棄却されて1の「店員さんが間違えてチキンを作った」だったんじゃないかなと思います。

でも私はチキンの方が好きだ。次からはチキンを頼みます。

*1:赤血球のヘモグロビンはヘム鉄を含み、そこで酸素をくっつけたり離したりします。そういうのがヘムです。

*2:根粒では根粒菌マメ科植物から糖を貰ってエネルギーを作り生活して、窒素固定をすることで空気中窒素をアンモニアに変えて植物にプレゼントしている。根粒菌がエネルギーを作るには酸素が必要なんだけど、窒素固定は酸素があると関連酵素等が障害される。どうしようねということで解決策になるのがレグヘモグロビンなのだ。レグヘモグロビンが酸素を握って根粒に存在することで、窒素固定関連酵素を障害しない。エネルギーを作りたくなったら、レグヘモグロビンから直接酸素をその都度もいで使う。そんな仕組みが根粒にはあるんだね。

*3:と、わかったように書いているが疑問があり、実はレグヘモグロビンのグロビン部分はマメ科植物側、ヘム部分は根粒菌側が提供すると聞いたことがある。酵母菌にグロビンのDNAを持たせただけでレグヘモグロビンはできるのか?いや、鉄なりヘムなりは別経路で与えるのだろうか。ちょっと謎。論文読めばわかるんだろうけど、気力が……