生物学好きのまいんが、シンガポールで生活する中で出会ったものをひたすら記録します。

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Singapore Botanic Gardens行ってきた3 その3

前回はこちら↓

minesg.hatenablog.com

ランとは何か?みたいな本質が分からなくなってきたけど、まだまだ続きます。*1

 

TAN HOON SIANG MIST HOUSE

至るところから謎のミストがプシューって出てる半ハウス的な建物です。

Strophanthus preussiiかな。びろびろ伸びてて面白い。

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壁に大量のビカクシダ。なにゆえ。

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一番奥の壁にも大量の&様々な種類のビカクシダ……。

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ここまでくるとインテリアだな、って感じの飾り方をされてました。

ビカクシダでインテリア作れるとかすごいな。

 

 

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これは……これはランじゃないでしょ。誰だろう?ランなの……?違うと思うけどな……。

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The Sembcorp Cool House

キンキンに冷えている建物。

標高1,000mから2,000mに存在する植物を集めて、周囲温度が16~23度の高地の山地林を模しているのだそうな。

ここでランとかを育てることで、開花時期とか生態とかを高地に行かずとも研究できると……すごいね。

でも体感温度は16度もなかったです。5度とかじゃない??ってくらい寒かった。熱帯にいるともう自分の体感温度は信用できませんが。

 

いきなり入り口から見たこともないふわふわの毛がついたシダ。

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裏側にはちゃんと胞子嚢。

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あまりにもふわふわなので作り物なのかと思いました(今でもちょっと疑ってる)。

こんなシダが存在しているのだろうか?なんのためのふわふわなのでしょう。

 

これはランなのか。なんなのか。

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これはランじゃないでしょ。medinillaの仲間でしょ。たぶん。

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これはランだろうな。色すご!

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こちらのランも色がすごいし唇弁がドレスみたいです。

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黒っぽいのばかりかと思いきや、明るい色の子もいます。

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これもランらしいです。どこがどの花弁?

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手のひらほどでっかい立派な美しいランもいました。

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pearcea abundaというらしいこの子は、花も葉っぱもふわふわです。

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美しい……。

これもランじゃないけれど、造花みたいなデザインのすごい花。

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フクシア?の一種な気がする。すごいね。かわいいね。

 

鈴なりのようなラン。

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ダンサーのようなラン。

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食虫植物がいっぱい展示されているブースもありました。

落ち葉を受けるタイプのウツボカズラか!?

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一緒に展示されてたランは、唇弁が袋みたいになってました。

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横から見るとこんな感じです。でっかい袋。

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この袋は何か意味があるのでしょうか?何かを貯めたり、虫を落としたり……そういう用途があるのかな?

こんな形のランも上から吊り下がってました。

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長いし、袋状だし……。

 

不思議な花の付け方をしているランも発見。小さめで真っ黒なラン、神秘的ですね。

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こちらの割と大ぶりの花もランらしいです。

が、全ての花がこんな感じで、開花しかけ?みたいな状態で止まっているという不思議な形態。これが完全に開花した状態なのでしょうか?開花具合を決める遺伝子なんてあるのかな。

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気になって調べてみると、やはりこの状態で開花なのだそうです。壺状かつ上向きに花が開くことから、チューリップオーキッドとも呼ばれるそうな。へぇ。

で、唇弁は揺れ動くことができるらしく、おそらくそれをもとに「ユリカゴラン」とも呼ばれるのだそう。面白い生態ですね。

 

これはひっそり咲いてたインパチェンスと思しき植物。

カラフルかつオウムのクチバシみたいで面白い。

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他のカラフルなラン。三角形に見える……

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これは唇弁だけがめちゃくちゃ目立つ。

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これも中々特徴的な形のラン。鮮やかなのも沢山いますね。でも形がすごいや。

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この寒い展示室で個人的に最も面白かったランがこちら。

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LADY'S SLIPPER ORCHID、Cypripedioideae(アツモリソウ亜科)のランです!

スリッパという名前は、この唇弁の形がスリッパに似てるところから来てるらしいですね。

このスリッパは実は、虫に花粉を運んでもらうためにめちゃくちゃ役に立つ構造です。

まず、虫がスリッパ内に落ちる。すると虫は脱出しようと這い上がろうとする。でもスリッパの壁はつるつるで、唯一細かい毛が生えてて登りやすい場所は唇弁の一番奥のところ、基部に向かって伸びているところだけです。だから虫はそこを登る。

写真を見るとわかりますが、唇弁と基部が接続している道はなんか細くなってますよね。そこに雄しべ雌しべがあるんです。虫はこの道を通る時、必ず雄しべと雌しべに押し付けられる形になります。ということで、虫に花粉がつくし、ついていた花粉があればランに受粉させることができるんですね。すごい。

 

そんなアツモリソウ亜科の色んなタイプのランが展示されていました。

真っ黒な子や……

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中々毒毒しいデザインの子。この黒い斑点はどうやってできてるんだろう?

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毒々しい子はつぼみも可愛かったです。

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ウツボカズラとアツモリソウ亜科が並んで展示されているところもありました。形似てるからね。

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アツモリソウ亜科がどれくらい多様なのかわからないので判断できないのですが、もしかしたら最初の方で見た袋状の唇弁の子もアツモリソウ亜科の仲間だったのかもしれません。

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出口付近の一番大きかった子。

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出口(入り口?)にはフォトスポット的な池もあったのですが、

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ここの池の真ん中に並んでるランはすべてアツモリソウ亜科で、こだわりを感じるなと思いました。

 

 

ほとんど主要なところを見尽くしたので、プラプラしながら面白いランを見つけるなどしました。

これもランなんだって。信じられないよね。

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細いラン、いいなぁ。

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トーチジンジャーもなぜか咲いてました。前来た時ジンジャーガーデンで見られなかったやつなので、感動!

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そんなこんなでオーキッドガーデンを大満喫し、大満足で帰路につきました。

帰る途中で植物園内の池に寄って、ちょっと一休み。

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……と思ったら、あれ、呼吸根あるぞ!?!?誰の呼吸根だろう……植物園にヌマスギ以外の呼吸根持ちがいるの知らなかったのでびっくり。

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ついでに水鳥らしきものが通っていきました。独特のフォルムやね。

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*1:そもそも本質なんて無いという話でもある。すべては家族的類似